日本は高度高齢化社会といわれ、医療の発展もあり女性の二人に一人は90歳まで生きると言われています。長生きは喜ばしいことですが、金銭的な部分に注目するとそれは「リスク」です。そんな「長生きリスク」に対応したトンチン年金という商品があるのをご存知ですか?
本日は、聞きなれない「トンチン年金」について徹底解説します!
トンチン年金ってなんだ?
保険会社が販売する年金商品の一つ
トンチン年金は保険商品の一つです。ヨーロッパでは普通に販売されておりますが、日本ではつい最近発売が始まったばっかりです。
ざっくりいうと、長生きすればするほど年金がたくさん受け取れる保険です。
基本的な構造は年金保険と一緒です。個人年金保険については、下記記事で説明しているので、見てみてください。
この記事でつかった画像で個人年金保険との違いを説明してみます。
まず、①保険料支払い期間ですが、個人年金保険の場合、この期間に仮に亡くなった場合、死亡保障がついているので、死亡保険金が支払われます。この死亡保険金額は、今まで支払った保険料を割ることはありません。つまり、年金を受け取る前に死んでしまっても、払った分は取り返せるってことです。
一方でトンチン年金の場合、①の期間に亡くなってしまったら、解約返戻金分しか戻ってきません。むしろ、この返金を少なくすることで、長生きした人への年金支払いに充てているのです。
なので、①期間中に亡くなったら、損をして、④の期間が長ければ長いほど得をする商品ということです。
名前の由来
「トンチン」って何?って感じですが、人の名前とのことです。
ちなみに「トンチン保険」の名は、考案者である17世紀のイタリア人銀行家、ロレンツォ・トンチに由来するもの。トンチの考案したこの制度は、早くはブルボン王朝のフランスで導入されていたというからその歴史は古い。
新しい概念かと思いきや、歴史も長いんですね。
日本で販売されていなかったわけ
これは想像ですが、日本は高齢化社会なのにも関わらず、こういった商品がポピュラーでないのは、やはり日本人のマインドに理由があると思います。
この商品、亡くなる人が多いほど生きてる人が得する商品です。なんとなく、道徳の授業で怒られそうな考え方ですよね。
また、長生きすればお得ということで、自分がどこまで長生きできるかわからない中、少しギャンブルっぽさもあります。(そもそも保険ってそういうものですが)掛け捨て保険があまり好きでない日本人には、受け入れられないのも頷けます。
しかしながら、国民年金について考えてみてください。日本は賦課式ですので、今のおじいちゃん、おばあちゃんの生活費を若者が出してあげるという構造です。
つまり、実際に自分が65歳になった後、どれだけ貰えるかはどれだけ生きるか次第なんです。
これまで払ってきた国民年金保険料は、65歳以前に死んだら返ってきませんよね?
国民年金もトンチン年金と実感としてはあまり変わらないかもしれません。
入るべきか。
保険には正解はありませんが、老後の資金的な面倒まで子供、孫に見てもらいたくない。迷惑かけたくないという方が加入しているそうです。
私もこの考え方です。
遺産は特に残すつもりはありません。子供に親の資産を頼ってほしくない。でも、自分のせいで金銭的に迷惑をかけるのは絶対いや。死んでしまったら、戻ってきた額が少ないなんてどうでもいいことです。
それよりも、長生きして煙たがれるおばあちゃんになりたくない笑
一方でトンチン年金を販売する第一生命保険のHPを見てみると、モデルケースで支払った保険料を年金で回収できる(=とんとんになる)のが、女性で94歳!そこまで長生きできるかなぁと確かに不安になります。
男性だと、もっと短くて89歳。でもかなりの長生きだと思います。
利回りがもっと改善されれば、入る余地はあると思います。
個人的には、保険料払い込み期間の返戻金をもっともっと抑えて、もらえる年金額を多くする(トンチン性を高くする)商品がでたら、検討したいです。
みなさん、いかがでしたが?長生きがリスクはもうすぐそこまで来ています。しっかりライフプランニングして、将来に備えましょう。
余談ですが、国民年金について、将来十分な額が受給できるのか等、不安に思われる方も多いと思います。
こちらの記事「将来、年金がもらえない可能性がある?年金制度の実情を解説!」で詳しく説明がありますので、ご一読ください。
以上、「長生きリスクに備えるトンチン年金はお得なのか」の記事でした。ご精読ありがとうございました♪
参考 個人年金保険のメリデメ解説
参考 保険で資産運用?!
(Written by にーちぇ)